〈後編〉

ある日突然、家から出られなくなる

ひきこもり向けイベントで会った高田努さん(40代=仮名)。自己紹介を聞いて、あまりのふり幅の大きさに驚いてしまった。

「僕は高3から4年間ひきこもっていました。社会復帰するのにさらに2年かかりましたが、消防官になり、今は救急隊として働いています」

キリっとした精悍な顔立ちの高田さんは話し方もキビキビとしている。ひきこもりの当事者も支援者も、どちらかというと繊細でやさしいイメージの人が多いので、かなり異質な感じがする。