総裁選? 解散? 「歴史的惨敗後」の政局シミュレーションは…… 

石破首相が退陣となった場合、自民党総裁選が行なわれることになる。

ポスト石破としては、高市早苗元経済安保相や林芳正官房長官、国民人気の高い小泉進次郎農水相らの名前が挙がっているが、衆参ともに少数与党となった後の総裁選は、首相を選ぶ総裁選となるのかどうかさえ、微妙になってくる。

仮に野党が首班指名でまとまった場合、自民の総裁が首相に選ばれず、下野する可能性すら出てくるのだ。

自民にとってそうした“最悪の事態”を防ぐためにも、連立政権の拡大が有力な選択肢となっている。

「これまでは、法案や予算案ごとに国民民主や維新に協力してもらい、綱渡りでの国会運営をしてきましたが、衆参ともに少数与党では野党はさらに強気になり、さすがに国会運営が行き詰まるでしょう。国民民主を連立に取り込んで玉木雄一郎首相を担ぐ、というプランも現実味が出てくるのでは」(自民関係者)

国民民主党・玉木雄一郎代表(本人Xより)
国民民主党・玉木雄一郎代表(本人Xより)

ただ一方で、石破首相が続投できるという観測も消えていない。8月1日から25%と通告されたトランプ関税をめぐる交渉やその対応を理由として続投する可能性も想定されているのだ。

しかし、衆参ともに惨敗したとなると石破首相の求心力低下は必至で、続投しても政権が長く続く道筋はなかなか描けない。

「誰が首相になっても少数与党のかじ取りは大変なので、しばらくは石破首相に政権運営を押し付け、機を見て党の顔を交代させ、衆院選で勝利する、というプランも取りざたされていますが、結局は退陣が規定路線です」(同前)

G7サミットでトランプ大統領と会談する石破首相(本人Xより)
G7サミットでトランプ大統領と会談する石破首相(本人Xより)
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さらに、この先想定される恒例のイベントでも、行き詰まりの可能性が。

「例年、8~9月ごろに内閣改造・党役員人事が行なわれますが、もともと党内基盤が弱い石破首相では、衆参ともに少数与党のもとで人事ができるのか。菅義偉政権の末期には、菅氏が河野太郎氏を要職に起用しようとしたところ、河野氏の“親分”である麻生太郎氏から拒否され、人事ができず退陣を余儀なくされました。石破首相は、派閥に属さず党内基盤が盤石でなかった菅氏と重なります」(全国紙政治部記者)

参院選公示直前に開かれた党首討論会で、「鷙鳥不群」(ワシのような強い鳥は群れを作らず、単独で行動する)という四字熟語を揮毫した石破首相。今後は弱さゆえの単独行動になってしまうかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班