シゴトとは何か

その2日後、また事件が起きた。

ゲートが開きっぱなしになっている。門番はもちろんロプカンだ。

「やれやれ……」私はもうどうしていいのかわからなかった。

「おーい、ロプカン、ロプカン」とスタッフの声が貯水池に響く。

「ロプカーン」と悪戯っぽく、私も彼の名前を呼んでみる。その時、私たちは警備小屋の屋根の隙間から煙が上がっていることを発見した。警備小屋の中で何かが確かに燃えている。火事なのか?急いで私たちは警備小屋の扉を開けた。

するとそこには細々と燃える薪の上に、小さな鍋が置かれていた。鍋の中では朝食の紅茶がぐつぐつと音を立てながら湯気を上げている。鍋の前にはロプカンがしゃがんでいる。彼は紅茶の入ったマグカップを片手に、明後日の方向を向きながら優雅に朝食を楽しんでいた。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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「ふぅ〜」と彼はマグカップに入った熱々の紅茶に息を吹きかけて、それを冷まそうとする。

「ふぅ〜」と私はため息をつき、おかしさと怒りを我慢する。

「聞いてくれ、ロプカン」と私は言った。笑いたかったけれど、絶対に笑うわけにいかない。

「これはシゴトなんだ。君はゲートを守る。その対価として僕たちはお金を払う。勤務時間中はシゴト以外のことをなるべく、いや普通はやっちゃいけない。それがルールなんだ。正直僕は何度も耐えてきた。でももうこれ以上の我慢はできない。次にゲートを開けっぱなしにしていたら、僕は許さないと思う。マンゴーを売っていても、道路沿いで運動していても、警備小屋でお茶を飲んでいてもだ。ゲートの前にいてくれ。本当に、それだけでいいんだ」

「ごめんなさい、もうしません」とロプカンはいつも以上に肩をすくめて謝った。マグカップを丁寧に置いて、彼はゲートに戻っていった。その背中は、本当に申し訳なさそうだった。

その日から、ゲート前には絶対にロプカンがいる。ゲートを守るのが、俺のシゴトだというプライドと覇気をまとい、2本の足で立っている。部外者は誰も入ることができない。近寄ることさえできないかもしれない。

門の前には必ず、ロプカンという壁が立ちはだかるのだから。

私たちはなぜ働くんだろう。職場にはなぜルールがあるんだろう。私はロプカンが与えてくれた問いを一つひとつ、大切に手のひらにのせようとする。シゴトとは何か。彼の行動はその根源を問うていた。