シゴトの概念

数日後、事件が起きた。

またもやゲートが開きっぱなしになっている。門番はいつだってロプカンだ。

「またか……」と私はため息をついた。同行していたスタッフとともにロプカンを探した。

「おーい、ロプカン出ておいでー」

私たちは警備員を探している。頼むから警備してくれと願いながら。とても不思議な光景だ。

ロプカンはまたもや大通りに出ていた。彼の手元にマンゴーはない。売れるようなものは何一つ持っていない。私は彼を呼んで尋ねた。

「ロプカン、ちゃんと門番をしてほしいって、言ったばかりでしょう」

「うん」

「今日は道路沿いまで出て、何をしていたんだい?」

数秒の沈黙の後、ロプカンはケロッとした顔で説明した。

「運動していたんだ」

「運動……?」

「あぁ、少し体を動かしたくて」

あまりのおかしさに思わず笑みがこぼれてしまった。しかしすぐに気を取り直して説教に戻る。厳しい言葉でなんとか伝えなければならない。私は笑ってはいけない。これはシゴトだから。

畑を耕す著者とロプカン 写真/著者提供
畑を耕す著者とロプカン 写真/著者提供

「君のシゴトは門番だ。君がゲートを開けたままどこかに行った隙に、盗人が農業資機材を持っていってしまうとする。それはロプカン、君の責任になるんだ。わかってくれるかな?」

「ごめんなさい、もうしません」とロプカンは申し訳なさそうにゲートに戻っていった。確かにその手にマンゴーはない。何もない。運動くらいゲートの中ですればいいのに、と私は思った。

彼はシゴトをなんだと思っているんだろう。いや逆に、シゴト中だからといって、少しばかり持ち場を離れて運動することの何が悪いんだろう? 私たちが考えるシゴトの概念の方がおかしい可能性はないだろうか? 私はまた、その問いを先日とは別の引き出しにしまい込む。