彼に副業禁止の概念はなかった

「おーい、ロプカン。どこに行った?」

警備員を探して、警備するように頼む。とても不思議な光景だ。

私はすぐにロプカンを発見した。農場のゲートから数十メートル離れた大通りの端に彼は座っていた。何をしているんだろう?急に興味が湧いてきて、牛乳とアンパンを手に持って張り込みを続ける刑事みたいに、私は少し遠くの車内から観察してみることにした。

ロプカンの目の前にはマンゴーが規則的に並んでいた。大きい3つのマンゴーを土台のようにして並べ、その上に小さなマンゴーを1つ乗せる。ピラミッド状に積み上げられたマンゴーは4つで1セットだ。ロプカンはどこからかマンゴーを集めてきて、道端で販売するという大胆な副業を始めていたのだ。

ウガンダのマンゴー 写真/著者提供
ウガンダのマンゴー 写真/著者提供

しばらく眺めていると、通りかかった少年がマンゴーを買い、ロプカンがその代金を受け取る。契約違反、確認。しかし私たちの車に気づいた彼は、平然とした顔で車の方に向かって歩いてくる。助手席の窓を開けると、窓枠に肘をついてロプカンが私たちに尋ねた。

「両替したいんだけど、小銭はあるかな?」

「シゴト中に、マンゴーを売ったらダメじゃないか!ゲートを守るのが、君のシゴトだろ!」

通訳を交えて私は厳しく言った。

「ごめんなさい、もうしません」

ロプカンは申し訳なさそうに、マンゴーを抱えてゲートの中に帰っていった。

私は気づいた。そうか、彼に副業禁止の概念はなかったんだ。そもそも、なぜ副業がいけないんだろう? 考えるべきことは他にたくさんある。別に今考えなくたっていい。私はその問いをそっと頭の中の引き出しにしまい込んだ。