家族と日ごろからカジュアルに“死”について話し合う女性
そして今回、実際に終活をしたことがあるという女性に詳しく話を聞くことができた。ユミさん(27歳・仮名)は大学4年生のころ、友人の影響で初めて“終活らしきこと”を始めたそうだ。
「友人から『急に死んでしまったときのために、SNSやショッピングサイトのログイン情報を紙に書いてまとめている』と聞いて、私も軽い気持ちでやってみようかなと思ったのがきっかけです。SNSや使用中のサブスクリプションサービスのログイン情報のほか、自分の持ち物で捨てていいものもまとめて書いていました」(ユミさん)
そんなユミさん、ほかにも友人たちとカジュアルな終活をしているそう。
「友人たちと綺麗な景色の場所で写真を撮って、自分の姿がうまく綺麗に撮影できたら、『これ遺影にしようかな~。どれがいいと思う?』と友達とカジュアルに話すこともありますね。終活として意識していなかったですが、終活と言われたら終活に当てはまるんじゃないでしょうか」(ユミさん)
ユミさんがさまざまな終活をするに至った背景には、死に関する自身の体験が関係しているようだ。
「私はこれまで親族の葬式を10回近く経験していて、普通の20代よりも身近に死の体験をしてきていると思います。亡くなってからすぐに葬儀会社に連絡して、葬儀の日程を決めたり、参列者へ連絡したり、遺品整理をしたりと、“人が急に亡くなるって、こんなに大変なことなんだ”と感じることが多かったんです。
だから自分は死んでから身の回りの人に迷惑をかけないように、できる限りの準備はあらかじめしておきたいなって思っています。母親ともよく葬儀の話などをしますが、母親は『葬儀は盛大にやらずに、プランはいちばん安いものでいいから。ここの葬儀場がいいな』と伝えてくれているので、自分がもし喪主になるときに、悩むことが少なくなるので助かりますね。
家族同士で死んでからのことを話し合うのって珍しいことかもしれないですけど、人はいつ死ぬかわかりませんから、日ごろからカジュアルに話し合っておくことは大事なんじゃないかと思います」(ユミさん)