一方、同性との関係構築はお手のもの?  

異性との関係構築が苦手だという一面が見えた女子校出身者だが、同性だけの環境においてはどうなのだろう。こちらも数名に意見を聞いてみた。

「女同士でふざける時は全力です。(笑)下ネタもバンバン言います。共学出身の友達といる時はこのノリにならないので、女子校出身者特有かもしれないです」(26歳・フリーター)

「同じ女子校出身だった友人たちと話す時は、手を叩いて笑ったり、リアクションが大きめになったり、今でもそんな感じになっちゃいます。あと、女友達との物理的な距離感も無意識に近くなっている時があるかも」(27歳・会社員)

現在航空系の会社に勤めているというアンさん(26歳・仮名)は、女性が多い職場での“処世術”について教えてくれた。

「女子だけの環境で長年過ごしてきたぶん、自分に合う同性と合わない同性を自然と察知できるようになったと思います。“ヤバ女センサー”が働くというか……(笑)。合わない人とは、あらかじめ距離を置くので、女子同士のギスギスした雰囲気などは、今までそんなに味わった経験はないですね」(アンさん)

女子校時代のアンさん
女子校時代のアンさん

そして、建設会社に勤めるミクさん(27歳・仮名)は、社会に出てからも自然と女子校出身者と交流することが多いそう。そのワケを聞いてみた。

「女子校出身者同士ノリが合うというか、なんとなく自分と似ている感覚を持っている人が多くて、たまたま仲良くなった人が女子校出身者だったということがよくあります。女子校出身者は女子同士の関係構築のノウハウも自然と身につけているので、例えば同性を褒めるにしても、嫌味に聞こえない言い方ができる人が多くて、一緒にいて居心地がいいんです。

女子校時代のミクさん
 
女子校時代のミクさん
 
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お互いのいいところを褒め合うっていうのは、女子校の文化として無意識に根付いていた気がします。こういう能力のおかげか、今まで同性からやっかまれたり、嫌われたりした経験もないですし、同性とは割とうまく関係を築けているなと感じています」(ミクさん)

女子校出身者は、社会に出てから異性との葛藤や悩みを抱えつつも、やはり同性同士の関係構築については得意なようだ。彼女たちの特性は一概には言えないが、学生の頃との社会環境の違いにつまずきながらも、明るく前向きに人生を楽しんでいる印象を受けた。

取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio) サムネイル/Shutterstock