「農家を見てるのか? それとも農産物を買ってくれるみんなを見てるのか?」
これまでの農水大臣とはスタンスを異にする小泉氏について、率直にどう評価しているか。
「コメが足りてないという部分を認めたのは良かったかもしれません。ただ、そもそもコメの流通に関して完全に自由化していたわけですから、政府が余計な首をつっこむなと思いますね。気持ちとしてはそういう思いなのですが、現実的には農家を生かすも殺すも、コメの値段を上げるも下げるも政府次第ですよね。今回のコメ騒動でそれも証明されてしまった。
個人的には…小泉さんはどうでしょうね。私も今『小泉さんと話させろ』とあちこち回っていますが、残念ながらまだお呼びはかかりませんね。もし会えたら『あなたは農水大臣ですよね? あなたの目的は何ですか? 農家を見てるのか? それとも農産物を買ってくれるみんなを見てるのか? あなたは今何を見ているんですか?』と問いたいです」
小泉氏の本当の狙いを計りかねるということか。
「表向きには国民のためと言っていますが、それが本音とは思えません。政府が旗振ってコメを自由化し、価格を上げてここまで持ってきてくれて農家は食べていけるようになったのに、いきなりそのハシゴを外そうとしているわけですから文句はありますよ。
政府が決めた自由化の市場にのっとって闘ってきた我々に対し、今度はコメが高いからと価格調整で介入するのはおかしな話でしょう。コメ離れが進むからというのは言い訳でしかないし、それなら最初から自由化するなと言いたいです。
備蓄米の随意契約についても、先に放出した備蓄米の方が高くなっちゃうから(政府は買い戻すような報道もありますけど)どうするのかなと首を傾げたくなります。精米していたら一般的な賞味期限としては1ヵ月ですが、この状況じゃ売れないじゃないですか。こういったフードロスのことを考えているのかとも思いますね」