ストレスを「よい記憶」に上書きする

楽しんで妄想すると、よく覚えられます。

対象が好きだと、強く印象に残ります。

逆に言うと、対象に興味がなければ、覚えられません。

そんなことを考えていたときに、脳の海馬の研究をしている薬学博士の池谷裕二氏が書かれた『記憶力を強くする』(講談社刊)で「ストレスは記憶力の天敵」という記述に出合いました。

人は無意識のうちに好きなことは楽に覚え、ストレスがあると記憶力は低下する…勉強するときに知っておきたい脳の働きストレスに負けない脳と記憶力のつくり方_1
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ストレスがあると記憶力は低下し、ストレスが軽減されると記憶力は上がるといいます。

言い方を換えると、記憶力が高ければストレスを抑え込めますが、記憶力が低いとストレスを強く感じてしまいます。ストレスと記憶力は互いに〝犬猿の仲〟にあるわけです。

ストレスはそれに慣れることによってストレスでなくなりますが、この「ストレスに慣れる」という状態が、まさに「ストレスに慣れたという状態を脳が記憶すること」にほかなりません。