ストレスを記憶から消す方法

たとえば、新しい会社に転職したり、学校を転校したりしたとします。

もし周りが知らない人ばかりだったらどうでしょう?最初はストレスを強く感じるに違いありません。

ところが、だんだん環境に慣れてくると、ストレスが減ってきます。

会社やクラスにいる人たちは変わらないし、環境そのものは変化していないのに、自分が感じるストレスは減少します。

これはいまの環境をストレスに感じる必要はない、と脳が記憶したからです。その記憶がストレスを抑え込んだといえます。

人は無意識のうちに好きなことは楽に覚え、ストレスがあると記憶力は低下する…勉強するときに知っておきたい脳の働きストレスに負けない脳と記憶力のつくり方_2

この説明に私はうれしくなりました。なぜならこれでストレスをコントロールし、記憶力を高める科学的な方法が見つかったと思ったからです。

仮に何らかのストレスを抱えていたとします。

それが大変だとか、マイナスだとか、いつまでも毛嫌いしていると、記憶力が落ちるだけでなく、ストレスもいっこうになくなりません。

しかし「もう自分はストレスに慣れたんだ」と意識して、そういう記憶を脳につくり出してしまえば、ストレスは克服できます。

自分がストレスだと感じているこの環境は、もはやストレスではありません。

もう慣れたのだ、と言い聞かせればいいわけです。そして「慣れた」という記憶をつくってしまいます。

この方法は他にも応用できます。

たとえば、過去に苦い記憶があったとしましょう。その記憶を再現して、不安になったり、悲観したりすると、それがストレスになります。

ならば、これはもうストレスではない、と思い込んでしまうのです。

過去にこういう経験はあったかもしれないが、そこから自分はこんなことを学びとって、それは自分にとってプラスの出来事だった、というように記憶をよい意味に書き換えるわけです。