脳が充分だと判断して、上達が止まってしまう状態「プラトー」
「プラトー」と呼ばれる状態があります。プラトーとは〝高原〟の意味で、学習する過程で、進歩が足踏みする状態をいいます。
何かを覚えるときに、ある程度は一気に覚えられても、そのあと一時停滞する段階がありますよね。あの状態を指します。
たしかに、何かがある程度できるようになると、そこでいったん停滞することは、私も実感としてあります。
ある技術や知識を習得して、脳がそれを覚えてしまうと、あとは意識しなくても自動的にその動きや記憶を再現できます。
箸を使ったり、自転車に乗ったり、泳いだりするのがそうでしょう。
そしてもうそれ以上意識することがなくなると、脳が充分だと判断して、上達が止まってしまうのではないでしょうか。
ごく身近なところでも思い浮かぶことがあります。たとえばそれは、パソコンのタイピングのスピードです。
40年ほど前、パソコンが出はじめたころ、私は「かな入力」を使っていました。
そのほうが速いと思っていたからです。
しかしその後、アルファベットを使う機会も増えてきたので、「ローマ字入力」に切り換えようと、一念発起してタイピングの練習をしました。懸命に練習していたら、そこそこ速くなって、ブラインドタッチでも打てるようになりました。