人は、好きなものは自然に覚える

それがしっかり定着できれば、ストレスとしての記憶はなくなり、よりよい記憶に上書きされます。

つまりストレスを力に変えることができますし、そのストレスを感じないように意識してコントロールすることが可能だということです。

このように記憶のメカニズムを理解することで、ストレスに負けない脳と記憶力をつくることができるのです。

私の知り合いの弁護士に、驚異的な記憶力の持ち主がいました。

記憶力といっても、彼の場合、法律に対してではありません。彼の記憶力がすごいのは、高校野球のスコアに対してでした。

「○年の○○高校と○○商業の戦いは、○回戦は○対○で、○回の裏のスコアはこうだった」ということを、すべてそらで言えるのです。

人は無意識のうちに好きなことは楽に覚え、ストレスがあると記憶力は低下する…勉強するときに知っておきたい脳の働きストレスに負けない脳と記憶力のつくり方_3

受験指導していた当時だけでなく、その後、弁護士になったあともスラスラ言えていましたから、高校野球に関する彼の記憶力は、本当に天才的でした。

それほどの記憶力の持ち主なのに、司法試験に1回で合格したわけではありませんでした。

人は、本当に好きなものは、自然に覚えてしまいます。

彼の場合、こういってはなんですが、高校野球のほうが法律より興味が強かったのでしょう。

もし、あなたが記憶力の悪さに悩んでいるとしたら、それは対象に対してあまり関心がないからかもしれません。

勉強してもなかなか覚えられないのは、その内容に興味がないからです。