サークルのようなノリで、 “楽して稼げる仕事”として広まっていた

男性客とのやり取りは「初めましてマッチングありがとうございます…」といった文面から始めていたという。

「やりとりの最初に『以前、アプリ内で他の女性と会ったことがあるか?』と相手がひやかしではないことを確認をするよう徹底されていた。その後、『会ったことがある』『興味がある』と答え、誘導できたらあとは楽勝です。

会う際には『お酒が好き』とあらかじめ伝え、『初めてで緊張するのでお酒でも飲みながらはなしましょう』、『渋谷なら大衆居酒屋などいろいろ知ってます』という文面もメッセージのなかにちりばめるよう指示されていた。

渋谷で待ち合わせる日時を決めたら、アポ取りの役割は終わります。待ち合わせ場所に担当の女性を向かわせ、アプリの偽名を名乗るように伝える。そして、そのままバーへと入るように誘導すれば完了です」

渋谷警察署(撮影/集英社オンライン)
渋谷警察署(撮影/集英社オンライン)
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グループはアポ役の下にサクラの女性が複数人いる構造だったという。

このぼったくりバー関係者らと親交が深かったB氏は、「グループは外見も“ヤクザ”や“半グレ”などのようにイカツクなく、渋谷で遊んでいるようなフツーの20代の若者たちが集団で犯罪行為を行なっていた」と語る。

「ぼったくりバーなどで支払いを拒むといわゆる“ヤクザ”や“半グレ”のような人たちが裏から出てきて、支払いを強要するというイメージがあるかと思いますが、今回の渋谷のぼったくりバーの事件には、そういったヤカラが背後に見られません。どこにでもいる若者の集団でした。

逮捕された3人だけでなく、任意聴取で呼ばれた、サクラやアポ取りなどをしていたメンバーは20代前半で、それこそサークルのようなノリで友人と遊んでいる場所に友人を呼ぶことで、どんどんグループが大きくなった。“楽して稼げる仕事”が広がってしまったのです。不良でも半グレでもない、それこそ『8分の1グレ』みたいなヤツらがこのような犯罪をやらかす、イマドキの20代の若者にそれが蔓延していることがとても恐ろしく思う」

菅原容疑者ら3人は警視庁の調べに対し、逮捕容疑について認める趣旨の供述をしているという。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班