犯罪グループの居酒屋には日に2度も3度も警察官が来ていた
「チャイニーズドラゴンといっても強面の輩みたいなのがキャッチしていたわけではなく、実際にキャッチを行なっていた連中は大学生みたいな見た目の今どきの若者で、基本的には普通のやつでしたよ。居酒屋の前掛けをしているから一見すると居酒屋に雇われたキャッチにしか見えませんでしたし、見回りの客引き監視員と揉めるのもあの子らじゃなくて他のやつらのが多かったですし、どちらかというと気のいいやつらでした」
そう語るのは今回逮捕された客引きグループと交友関係があったA氏だ。逮捕されたグループの実態や手口についてA氏が解説する。
「今回逮捕されたのはひとつのグループではなくて、複数のグループにまたがっていると思います。あの子らの雇用形態は個人事業主みたいに業務委託の子もいれば、アルバイトみたいな形の子もいます。報道では『鳥貴族』ばかりが言われていますが、『磯丸水産』など他の大手チェーン店の客も狙っていました。ゴジラロードや歌舞伎町一番街の大手チェーンはほとんどやられてたと思いますよ」
鳥貴族など大手チェーン店に入ろうとする客に対し、店の前でインカムを使って空席状況を問い合わせるフリをし、「今、満席なんで空いている系列店に案内しますよ」と言って自分たちの店に誘導する。そして、連れて行った店で「席料」「週末料金」「サービス料」などと言って“ぼったくり行為”を行うのだ。同エリアで客引きをしている男性が語る。
「よくあの連中にぼったくられたお客さんの愚痴に付き合いましたよ。卵焼きが1000円近くする、お通しが1000円近くする、会計が3万円って高すぎる、みたいな話が多かったです。あの連中が拠点としていたグループの居酒屋は日に2度も3度も警察官がきて、またぼったくられた客が通報したんだろうなって思っていました。
やつらが横行したのは3年ほど前からですかね。見た目がガキみたいなやつらなので油断もするでしょうし、地方から来た人たちは、夜系の店は警戒していても居酒屋でボラれるって発想はないんでしょうね」