こうして、あなたの「予想」はブレていく
わかりやすく「ラーメン」を例に考えてみましょう。
ラーメンの「おいしさ」を決める要素は、麺、スープ、トッピング(具材)……など、たくさんあります。すべてのクオリティが高いのが理想ですが、なかなかそうもいきません。
では、その肝心な「ラーメンのおいしさ」を決めるいちばん大きな要素とは何か。人によって好みもあるかと思いますが、やはりいちばんは「麺」ではないでしょうか。
どんなにトッピングがおいしかったところで、麺がマズければ、すべて台無しです。
競馬における「馬の能力」とは、まさにこの「ラーメンにおける麺」に相当します。もちろん、他にも重要な要素はあるのですが、能力こそが、「馬の強さ」を決めるいちばん大きなファクターというわけです。
ただ多くの人は、このいちばん重要な「能力」を過小評価しすぎています。逆に「トッピング」の部分、つまり「騎手」「調教」「血統」といった要素を、過剰に評価してしまっているのです。
「そんなことない!」と思った人も、一度自分の胸に手を当てて、思い返してみてください。
「この馬強いけど、○○騎手が乗るなら買うのやめとこ」
「この馬強いけど、追い切り微妙だったから相手までに」
「この馬強いけど、もう8歳だし斤量59キロはきつい」
など……。
こうやって予想を変えてしまった経験、ありませんか?
もちろん、こうした要素を〝迷ったときのひと押し〟程度に使うなら問題ないです。追い切りがよかったり、優秀なジョッキーが騎乗するのであれば、当然、多少なりとも勝率は上がりますからね。
しかし、騎手が誰であっても、追い切りが微妙でも、斤量が不安でも、結局いちばん大切なのは「その馬の能力」です。
他の要素はあくまで〝スパイス〟程度にすぎませんから、考慮するにしても、せいぜい全体の1割くらいが妥当でしょう。
「競馬は馬の能力が9割」ということを、どうか深く胸に刻んでおいてください。