ゴールデンタイムの番組でも「ポロリ」シーンがあった

昭和時代は、ゴールデンタイムでも「おっぱいポロリ」シーンがよくあった。一番有名なのはドラマ『時間ですよ』(1965〈昭和40〉年に単発放映、1970〈昭和45〉年~1973〈昭和48〉年で連続ドラマ化、その後も『時間ですよ昭和元年』『時間ですよふたたび』などシリーズ化:TBS系)では、脱衣所や洗い場で胸が丸出しの女性がよく映し出され、ドラマの名物シーンとなっていた。

『大江戸捜査網』や『影の軍団』でも女湯が出てきていて、後者のシリーズ最終話はタイトルが「乱入!女湯の24時間」だったりした。2時間ドラマでは火野正平らとの混浴シーンがウリの『混浴露天風呂連続殺人』シリーズ(テレビ朝日系)などがあったものの、昭和の終わりとともに裸シーンは段々とみられなくなった。

現在も動画配信サービスなどで視聴可能な『混浴露天風呂連続殺人』シリーズ
現在も動画配信サービスなどで視聴可能な『混浴露天風呂連続殺人』シリーズ

『志村けんのバカ殿様』(1986〈昭和61〉年~2020〈令和2〉年:フジテレビ)で初期の頃はポロリがあったりしたがこれも次第に消滅していったし、平成以降では『水戸黄門』(TBS系)で由美かおるが入浴するシーンが話題になったりしたが、ここでも肩・背中・足やらのみで、「丸出し」ということはなかったのである。

なお、全裸シーンはCMでも時おりは出てきていた。有名なのは1973(昭和48)年東洋陶器(株)[現・TОTО]バスタブCM「お魚になったワ・タ・シ」での高沢順子(当時18歳)の入浴シーン。このCMは大きな話題となって、1985(昭和60年)には、三東ルシア(当時17歳)出演の続編も出された。

ちなみに、昭和40年代前半までは内風呂がまだあまり普及していなかったため、夏には庭で行水をする女性も実際多く、ドラマや漫画ではそれを覗くシーンも定番となっていた。木の塀のフシ穴から男が覗いて、それに気づいた女性が「キャーッ」と叫びながら水をぶっかけるのだが、当時は犯罪だとか警察出動だとかいう大げさな話にはなることはなく、たいていの場合は男が「てへへー」といいながら逃げて終わりだった。

今考えてみても、やはり昭和はつくづく大らかな時代であった。