「人生のピークでした」

2011年、2012年と2年連続でプロレス大賞を受賞した愛川。だが2回目の受賞直後に彼女は引退を決める。両国国技館で引退イベントを行い、ドレスに身を包んだ愛川は5500人のファンの大声援の中、リングを後にした。

「人生のピークでした。周りにもそう言われたし、幸せを感じるのと同時に『もう私の人生にはこれ以上がないんだ』と絶望した記憶があります」

実際に引退してからの30歳から35歳までの5年間は、毎日が同じことの繰り返しで人生に飽きていたんだとか。

「だけど、35歳で結婚して、子どもが産まれて目の前の景色が変わりました。プロレスを引退して絶望していた気持ちを変えてくれたのが子どもでした。何をやってもワクワクしない、頑張りたいのに頑張る気力がでない。そんな私を子どもの存在が救ってくれました」

子どもが学ばせてくれて、与えてくれた。「私が新たに頑張る原動力になっています」と愛川は目を輝かせていた。

愛川ゆず季、長男をおんぶしながら(本人提供)
愛川ゆず季、長男をおんぶしながら(本人提供)
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取材・文/吉沢さりぃ