「プロレスで絶対に成功してやる!」

引退の危機を免れた愛川が次に挑戦したのが、プロレスだった。

2010年、同じ事務所に所属していた人気女子プロレスラーの風香の引退試合を見たマネージャーに「お前だったらいける!」と背中を押されたのがきっかけだったと話す。

プロレスラーとしても活動した愛川ゆず季(本人提供)
プロレスラーとしても活動した愛川ゆず季(本人提供)
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「グラドルとしての目標をすぐに達成してしまって、バラエティやお芝居も経験したんですが…。おしゃべりや演技は頑張ればできるっていうものではないというか、頑張り方がわからなくて難しかったんです。その点、プロレスは身体を張ったら張った分、評価してもらえるから、私にはもってこいだと思いました」

練習を重ね、プロレスラーとしてデビューするまでの期間は半年間雀荘で働きながら生活費を稼いでいたそう。

「面接をしてくれた雀荘の店長には『愛川ゆず季ちゃんだよね?』ってすぐに気づかれてしまって『バニーガールの格好したら、時給1000円UPするよ』と言われました(笑)」

当時としては、時給2000円以上の高時給だったが、この話には乗らなかったという。その理由を「プロレスで絶対に成功してやる!って強い気持ちがあったから」と当時を振り返る。

「バニーガール以外にも、キャバクラとか夜のバイトをすることも一瞬頭をよぎりました。でも『絶対プロレスで売れてやる!』っていう強い気持ちがあったから、後で何か言われたくなくて絶対にやらなかった。金銭的にはきつかったけど踏ん張って乗り越えました」

当時は人気グラドルがプロレスデビューをするということで大きな話題になったが、心ない声に傷つくこともあった。

「完全にイロモノ扱い。プロレスファンには『グラドルがリングに上がるな!』と散々叩かれましたね。だけど、試合をするたびに私の頑張りを認めてくれる人が増えました。頑張った甲斐があったな、プロレスっていいなと心から思えました」