人生の中に隠れている大切なもの

数学が60点だったところに80点取れたら、間違いなくドーパミンが出ます。気持ちがいいんです。快感ホルモンが出るんです。そして先生や親も褒めてくれる。その習慣がつくと勉強は面白くなります。

サッカーでも野球でもバスケットボールでも、今までよりもいいドリブルができるようになったり、フォークボールの沈む球を打てるようになったり、ノールックパスができるようになったら快感ホルモンが出るのです。この快感ホルモンの味を覚えたら、面白くなって勉強したり練習したくなります。

僕たちが点数が上がったと喜んでいるのに、親がそこで「まだ70点か」などとけなすような言葉を使うと、ドーパミンは出ないんですよ。

小さな目標を達成させる、それが達成できたらまた小さな目標を立てて成功をする。そう繰り返していくと何でも面白くなる。面白くなれば、親が心配して「もう寝なさい」と言っても子どもは勉強するものです。

子どもが勉強を好きになるには……?
子どもが勉強を好きになるには……?
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インターネットで出てくるニュースは、クリックするだけで情報を得られますが、見た人を洗脳するように作られている。一個のニュースを見ると次は、この人はこういうネタが好きなんだとAI(人工知能)が判断して、同じような情報ばかりが表示されていく。便利なようで怖いことです。偏った情報や嘘っぱちの世界に引っ張られていく可能性があるんだ。

勉強するのは、いろいろな科目の授業を通じて、「なぜこうなるんだろう」「真実はどこにあるんだろう」と考え続けることで、「情報を鵜呑みにせず、その奥に隠れている大切なものを見つける」姿勢が、正しい視野を養います。

僕は朝4時半に起きると17歳で決めてから50年ずっと守り続けました。受験勉強が終わってからも、詩や小説を読んで自分を豊かにするために続けてきた。人生の中に隠れている大切なものを見過ごさないために。