小沢健二をいつも不思議な気持ちにさせた出来事
1968年生まれの小沢健二は、ドイツ文学者の父、心理学者の母をもち、クラシックのレコードと並んでビートルズのボックスがある、そんな音楽環境の家庭に育った。
父親の仕事の都合で、日本からドイツに引っ越したのは、生まれて間もない頃のことだった。だから家ではクリスマスやイースターになると、ドイツ語のキリスト教音楽のレコードが流れていた。
ドイツで数年間を過ごした幼少期を経て、日本に戻ってきてからも、両親はそれらのレコードを、ときおり家でかけていた。それを聴くと、小沢健二はいつも不思議な気持ちになったという。
そのことを大学時代のゼミの恩師である翻訳家、柴田元幸氏の質問に答える形の対話で、2011年にこう述べている。














