医師の診断書に疑義を示した驚きの発言とは
出席者によると、この理事会では、さらなるトンデモ発言が飛び出していた。弁護士資格を持つ監事が専務理事を擁護する中でこう述べた。
「(女性は)精神的にいろいろ問題があるということで執行部が出勤するときには在宅勤務をしているが、もう1年も続いている。本当かと。率直に言って私は、医師の診断書そのものを疑っている」
続けてこうも訴えた。
「本気でやるならこちらも医師を出してちゃんと診断しなきゃならない。専務理事は悩みながらも一生懸命やっていることを皆さんに理解してもらったということで矛を収めてもらえないか、というのが私の希望だ」
繰り返すが、この監事は弁護士だ。内閣府によると、公益法人の監事は健全な運営を監督し、ガバナンスを強化するために重要な役割を果たすとされ、法的な責任を含む具体的な義務も負う、とされる。ハラスメントの被害を訴えた人間に鞭を打つかのような行為が、果たして「健全な運営の監督」なのだろうか。女性の症状は悪化の一途をたどっているという。
都柔連にパワハラへの認識や理事会での専務理事や監事の発言について見解を尋ねたが、
「当連盟では、理事会の審議内容について一切公開しておりません」との回答だった。
都柔連のホームページでは、こううたっている。
「講道館、全柔連の主軸として、これからもリーダー的役割を果たす」
現在の都柔連の姿を、嘉納治五郎氏はどんな思いで見つめているのだろうか。
取材・文/目黒龍