「老害と言われたらもう何もできない」

5月24日放送のトークバラエティー番組『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で、タレントの勝俣州和が“若害”という言葉を持ち出した。

最近、タレントのビビアン・スーが久々に来日して、ウッチャンナンチャンや千秋など、当時一緒にレギュラー番組に出ていた仲間たちでロケをすることがあったそうだ。その食事のとき、ビビアンが一番年下だったため、勝俣はビビアンに「取り分けてあげて」と指示を出したのだが、ここでスタッフから「勝俣さん、それは老害になっちゃいますよ」と注意がはいったという。

体育会系で育ってきた勝俣としては、若い子が先輩たちになじむ方法として、そういった機会をもうけてあげるという伝統を守っているに過ぎないのだが、そう説明してもスタッフに「でもテレビでは流せないので」と一蹴されたという。

本当に勝俣の言動は老害として扱われることでよかったのだろうか。

昭和時代を生きてきた自分の行動は、すべて老害ととられてしまうことに悩む勝俣。「老害と言われたらもう何もできない」と嘆くが、その一方で「それを言ってくる若い子たちが俺たちからしたら“害”じゃん。“若害”じゃん。俺たちは若害に悩まされている」と反論。自分たちが築き上げてきたものが、老害という簡単な一言で崩されていると怒りを見せるのだった。

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老害という言葉自体はかなり古くからあり、松本清張の小説『迷走地図』(1983年刊)でも使用されている。しかし、ネットスラングとして流行し、改めて世間に広く浸透したのはここ数年のこと。この言葉によって、それだけ肩身を狭くする人がたくさん出てしまった。

今回の勝俣の提言を受けて、ネット上では〈今の若者って本当に腫れ物に触るように周りが接している状態〉〈老害という言葉は本人が使うのはいいが他人が使うのはハラスメントです〉〈「若害」は流行っていい言葉だわ〉など賛同の声が多くあがった。それだけ、老害という言葉に悩まされている人が多いのだろう。

若害という言葉は勝俣が生み出した言葉ではなく、最近、少しずつ流行りだしているワードだ。一般社団法人日本ハラスメント協会の代表理事で、ハラスメント専門家の村嵜要さんに解説を聞いた。