阿部巨人と原巨人の比較の違い
監督として巨人歴代最多の通算1291勝という記録を持っている原前監督は、2002年の就任1年目から発想力とアグレッシブなマネジメントを発揮していた。
具体的には、長嶋茂雄監督時代に左投手相手になかなか出番のなかった清水隆行を1番で固定し、先発として伸び悩む河原純一をリリーフに配置転換。すると清水は最多安打を獲得し、河原は5勝2敗28セーブ防御率2.70というキャリアハイの成績を残した。
さらに阿部を正捕手に据えるなどの大胆な起用にファンはワクワクしたものだ。
一方で、阿部監督の1年目はいい意味で新人監督らしさがなかった。
前述の投手と捕手の運用以外にも、岡本和真、吉川尚輝、門脇誠、坂本勇人という内野陣は12球団トップクラスのディフェンス力を誇った。この起用で投高打低の傾向を活かして老練な試合運びを展開したのだ。
かと思えば、比較的狭い球場では両翼を打力重視の選手で臨んだり、岡本や大城などを本職以外のポジションを守らせるといった柔軟な采配も見せた。このあたりもある種、“新人離れ”していたのではないか。