専門学校卒の女性は、男性よりも収入が上
調査によると、フルタイムで働く労働者の平均月給は男性が昨年に比べて3.5%増の36万3100円、女性が4.8%増の27万5300円。男性の賃金を100とした場合、女性は75.8で、格差は前年に比べ1.0ポイント縮小し、その差は過去最少となっている。
格差が縮小した理由は、正社員としてフルタイムで働く女性が増え、役職に就くケースが増えていることが要因だという。2001年の結果を見てみると、男性の平均月給は34万700円だったのに対して、女性の平均月給は22万2400円。この23年間で、男性の平均月給は2万2400円増で、女性の平均月給は5万1300円増だ。
さらに年齢別で見ると、若年層の男女格差はさらに縮まっていることがわかる。20~24歳の男性の平均月給は23万4200円、女性の平均月給は23万600円とほとんど差はない。この年代の学歴別の調査結果を見ると、「専門学校卒」という区分においては、男性が22万6300円、女性は23万4000円と、女性が男性を上回っている。
つまりこの結果を見ると、若い世代ではほぼ男女格差はなく、男性の賃金を100とした場合、女性は75.8というデータも、まだ女性の社会進出がそれほど盛んではなかった中高年層の格差が大きく影響しており、いまの若い世代がこのまま年齢を重ねていけば、格差はほとんどなくなるように思える。
しかしそう簡単にはいかない現状もある。それが、“出産・育児”に伴い、女性の所得がガクンと落ちてしまうことだ。SNS上でもこの部分を指摘する声は多い。
〈格差が減ったのって単純に子ども産まない人が増えたから、普通に仕事続けてるだけなんじゃ…?〉
〈だから「賃金の男女格差」というのはおかしくって、「男女のポジション格差」なんだって。その最たる要因が子どもの有無〉
〈男女の賃金格差なんて既に15年前から無いけどな。今過去最少になってるのは婚姻数減&少子化で社員で働き続ける女性が増えたってだけ〉
〈格差は過去最少といっても差が大きいのは、女性が出産、育児をしながらキャリアアップしていくための支援体制が整っていないことが大きな要因では〉