「超リアル釣りゲーム!!の巻」(ジャンプ・コミックス105巻収録)

今回は、釣りゲームにまつわるお話をお届けする。

本作が描かれた1997年は、ルアー(疑似餌)フィッシングの一大ブームの真っ最中。イケメン日本代表的な存在だったタレント、キムタクこと木村拓哉の影響などもあって、もととも釣りを嗜んでいた成人男性はもちろん、女性や子どもたちの間にもルアーフィッシングが広まっていた。

人気の高いルアーは品薄となり、まるで昭和の「ガンプラ」や平成元年の『ドラゴンクエストⅣ』のように、抱き合わせ商法で稼ぐ小売店まで現れるほどだった。

なお、本作での大原部長は、勤務中にゲームに興じる両さんを叱りつけるどころか、ゲームという餌に興味津々で食いつき、ガッツリと釣られてしまう。

両さんが遊ぶゲームは、玩具メーカーのタカラ(現:タカラトミー)が発売していた体感ゲーム『バスフィッシング』。

これは、いわばルアーフィッシングのシミュレーターだ。天候をはじめとする釣りの諸条件を考慮して使用するルアーをセレクトし、本当に釣り竿を振るようにしてゲームを操作する。そして当たりが来るとゲーム機自体が振動し、本物志向の臨場感が味わえる。

本作ではさらに、亀有で茶舗を営む藤田尾出男(ふじた・びでお)が持ち込んだゲームに、両さんがガッツリと釣られることに。藤田は両さんと遊びや賭けごと、そしてエロ関連の趣味を同じくする男だ。となれば、どんなゲームを持ってくるのか、だいたいの想像がつくと思う。

それでは次のページから、部長と両さんが釣りゲームに盛大に釣られてしまうお話をお楽しみください!!