「キャバ嬢の営業LINEみたいにこまめにリスナーと連絡を取り合っている」

一方、情報管理に気をつけている前田さんも、リスナーからネット上の誹謗中傷を受けて、顧問弁護士に相談し裁判に至ったことがあるという。

「リスナーと直接会うことはなくとも、トラブルに発展するケースはごくまれにあります。所属ライバーがリスナーからのアンチコメントで悩んでいたので、私からそのリスナーに注意したことがありました。

そしたら、そのリスナーの矛先が私に向いて、SNSで私のデマを発信されたり、私の顔に落書きをした画像をアップされたりしました。あまりにもひどい内容だったので、弁護士さんに相談し、裁判をすることになり、その結果、勝訴しました」

それにしても、実際に会うこともない画面越しの相手に、なぜ大金を「投げ銭」するのだろう、前田さんはこう分析する。

「投げ銭をするリスナーの中には、家でお酒を飲みながら配信を見るのを楽しみにしている人や、話し相手を求めている人など、ライブ配信を精神的な支えにしている人もたくさんいます。

キャバクラでお気に入りのキャバ嬢にシャンパンを入れるのと同じような感覚で、投げ銭するリスナーも多いと思います」

戸塚警察署(撮影/集英社オンライン)
戸塚警察署(撮影/集英社オンライン)

ライブ配信アプリで毎月100万円以上稼ぐ、人気ライバーのAさん(20代女性)にも話を聞いた。

「私のリスナーで高額投げ銭するかたは、持病を抱えていてなかなか外に出られなかったり、離婚して寂しい思いをしていたりするような“訳アリ男性”が多いです。

そういう人たちにとって、直接会わなくても女性とコミュニケーションが取れるライブ配信アプリは、キャバクラとかに比べて気軽な気持ちで楽しみやすいんだと思います。

しかし、高額の投げ銭をされたあとに見返りを求められるケースも多いです。毎月100万円以上投げ銭してくれていたリスナーに『直接会ってくれないならもう投げない』と言われたこともあります。

私は怖かったので断ったのですが、お金に目がくらんでついリスナーと直接会ってしまい、パパ活的なことをしているライバーもいると聞きます。

また、私の周りには、高額投げ銭する人を切らさないようにするために、キャバ嬢の営業LINEみたいにこまめにリスナーと連絡を取り合っているライバーもたくさんいます」