賞レースのチャンスは3年おき。それを逃したらまた3年後の機会にかけるしかない
2023年大会を経て、ネタ作りを担当する奥田さんは2024年大会に向けて、一からネタを練り直すことを決意した。
「この大会は、持ってるネタをすべて出し切る総力戦になると思っていました。小出しにしても勝ち目はないと考え、今あるネタを徹底的にブラッシュアップし、5本ほど用意する方針にしました。
2023年の大会で負けた時点でこの戦略を決め、上京しました。それでも勝てなければ翌年以降はよりリスクの高い戦略を取ることも考えていました」
もし2024年大会で優勝を逃せば、次のチャンスは1年後、もしくは3年後。そんな思いを抱きながら、奥田さんは戦略を練った。
「ベテラン勢は豊富なネタを持っている。結局、そういう人たちが勝ち上がっていく。でも、そこに勝たなければ意味がない。だから、少しでもいいネタができたら磨き、新しいネタも作り続けるしかない。負けることもあるけれど、それでも挑み続けるしかないんです。
もし2024年の優勝を逃して3年目に入れば、強くなった1年目の若手に対して、自分も攻めのネタを用意できる。だからこそ『3年おきにチャンスが来る』という感覚でいました」
そして、その「3年おきのチャンス」を逃せば、次に挑めるのはまた3年後。その厳しさを理解しながらも、奥田さんは「そのときに全力を尽くすしかない」と覚悟を決めて1年間、THE SECONDと向き合った。