今年のTHE SECOND優勝はズバリ「出場経験のある」金属バット、囲碁将棋、タモンズ…前回大会王者のガクテンソク・奥田が予想
2024年、「THE SECOND~漫才トーナメント~」で王者に輝いたガクテンソク。アマチュア時代に初めて出場した『M-1グランプリ』では準決勝に進むも、賞レースの神様の前髪をつかめず、優勝を逃し続けていた。ネタを書いている奥田修二さん(43歳)に、THE SECONDに懸けた思いや、2025年5月に開催されるTHE SECONDの優勝予想を聞いた。(前後編の後編)
四十路独身#2
金属バット、囲碁将棋、タモンズ…「THE SECOND経験者は強い」
ガクテンソクは2025年のTHE SECONDでは、本戦までの抽選会やトーナメントのMCを務めている。そんな奥田さんに、今大会の優勝予想を聞いた。
「今大会からは、M-1の常連である見取り図やモグライダーも参戦します。THE SECONDの出場経験こそありませんが、全国規模の大会で培った実力は大きなアドバンテージですし、モグライダーは6分の漫才で余白のあるTHE SECOND向きだと思います。
実際に、ギャロップさんが初代王者に輝いた背景にも、M-1出場の経験値が大きかったのではないかと考えています」
そんな中、奥田さんが本命に挙げるのは、THE SECOND出場経験者だ。
「2023年のファイナリストのうち、2024年も連続出場しているのは金属バットだけです。大会の流れをすべて経験していることが大きな武器になるので、今年も決勝の壁を突破したら金属バットは、特に力をつけているはず。
奥田さんが優勝候補に挙げる金属バット 写真/石垣星児
そのほかに注目しているのは、やはり過去に出場経験のある囲碁将棋とタモンズですね。悔しい思いをした芸人ほど強くなりますから。特に第1回大会のファイナルに出場して、昨年はファイナルに出ていない囲碁将棋は力を溜めているのではないでしょうか」
たしかな大会分析でTHE SECOND王者となった奥田さん。その観察眼から出された予想の結果はどうなるだろうか。
前編はこちら
前編は41歳で上京した奥田さんの40代独身生活の美学について深掘り
取材・文/橋本岬 撮影/高木陽春
奥田修二(おくだ・しゅうじ)
1982年3月3日、兵庫県生まれ。2005年、よじょうと「学天即」を結成。同年の『M-1グランプリ』にてアマチュアながら準決勝進出を果たす。2007年より吉本興業に所属。2013年の「NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞、2014年の第49回「上方漫才大賞」新人賞、2015年の第4回「ytv漫才新人賞」優勝、第50回「上方漫才大賞」奨励賞など、受賞歴多数。
2025年2月14日(金)
1650円(税込)
四六判ソフトカバー 224ページ
ISBN: 978-4847075278
【15年間のM-1グランプリ挑戦】【四十代独身ライフ】【芸歴18年目の上京】【『THE SECOND』優勝】…… ガクテンソク奥田修二が「四十路独身上京漫才師」としての日々を綴った初エッセイ集。 2005年、よじょうと「学天即」を結成し、同年の『M-1グランプリ』にてアマチュアながら準決勝進出を果たして以来、大阪を拠点に劇場、テレビで活躍し、数々の漫才賞を受賞。しかし、M-1はラストイヤーまで挑戦するも決勝の舞台に立つことは叶わず……。その後、「ガクテンソク」に改名し、2023年、41歳で上京。同年にスタートした結成16年以上の漫才師のための賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』に挑戦し、第1回大会はベスト32で敗退。そして翌2024年の第2回大会で優勝を果たしました。 その喜びを綴った『note』のエッセイが注目され、「笑って泣ける」「映画を観ているような臨場感」「周りの人の考察や自身の心情が細かく書かれて自分が漫才師になった感覚に」など、賞レースに挑む芸人の生き様をありありと描いた文章は多くの方に読まれました。 『THE SECOND』で2度対戦したマシンガンズ・滝沢秀一さんも熱い推薦コメントが! こんなに冷静に客を見ている漫才師は他にいない。 この本をNSCの教科書に推薦します。 (本書より)[チャンピオンになるまでに19年かかってるということは、普通に考えて「遅咲き」ですよね。考えようによっては「燻っていた」とも言えます。でも咲くことをあきらめていなかったし、腐ってもいなかったんだと思います] 優勝の瞬間、「何者かにな、なれっ、たんですけど!」と噛みながらコメントした奥田。 しかし今は「何者かになれてない」と言います。その真意とは? noteの連載を大幅に加筆修正、書き下ろし・語りおろしを半分以上収録したエッセイ完全版となる本書。 お笑いファンのみならず、何者かになりたくて頑張っている人、何者かになりたかった人に響く一冊です!