「自殺したのだと思いました」
午前10時31分にはじまった裁判は、内田被告の宣誓拒否もあり、わずか5分で一時休廷に。法廷をあとにする傍聴人たちは、内田被告の言葉で事件の説明されるのではと期待していただけに、落胆の色が隠せなかった。
約30分の休廷ののち、裁判は再開。内田被告の姿はなく、その後、再び法廷に現れることはなかった。
一方で、検察側は内田被告の証言の代わりとして、彼女の供述調書を読み上げた。この読み上げで、内田被告の主張の詳細が判明した。
これによると、小西被告は車中で何度もAさんに迫っていたと話す。
<車の中で、(Aさんを)これからどうするかと優花に聞いたところ「絶対に殺す」、「死ね」と何度も言っており、「殺しますよ」と言って興奮していました。Aさんは「死にます」と返事をしていました。優花の言葉にかぶせるように、軽々しく言っていました>
当初は、Aさんを自宅のある留萌市まで送るつもりだったというが、途中でAさんがコンビニの店員に助けを求めたため、内田被告は「Aさんに裏切られた」と逆上。
内田被告は、これまで自宅住所などを答えてこなかったAさんを問い詰め、個人情報を引き出そうと、防犯カメラが設置されていない神居古潭に向かうことになったと述べた。
そして神居古潭の駐車場に車を停め、Aさんを全裸にさせた。内田被告は、携帯電話でアスファルトの上で謝罪するAさんを撮影。その後、内田被告はAさんに神居大橋の欄干に座るように、指示したという。
内田被告は、さらに追いつめるために橋の中心部まで移動するように命じた。そこで、被告らはAさんに暴行を加え、欄干に座るように要求。一度、Aさんが橋の床に戻ってきたが、再度Aさんは欄干に座ったという。
内田被告は、Aさんを欄干から落としておらず、Aさんが自殺したと弁解する。
<「死ぬなら、私のいないところでやって」と言いました。自力で帰れるように、Aさんの携帯電話と、1000円札を4枚置いて、優花の手をとって車に向かいました。その後、自殺したのだと思いました>
小西被告は、内田被告の供述調書が読み上げられている最中、入廷時から表情を変えることなかった。共犯者が、自身と全くことなる供述をしていることについて、どのような思いで聞いていたのだろうか。