「田中将大の最終章」
だからこそ、田中将大には今季、まずは本来持っている「強い真っすぐ」を少しでも取り戻してほしい。経験、スキル、メンタルに関して言えば、現在のプロ野球界でも屈指の存在なのは間違いない。
そこに恩師でもある故・野村克也氏が幾度となく説いた「投球の基本」でもある「アウトローへの真っすぐ」が復活してくれさえすれば……。
日本球界復帰後、田中将大の投球、成績に関しては多くの心無い声が浴びせられた。「結果がすべて」の世界である以上、ある程度の批判は仕方ないかもしれない。ただ、MLBからのオファーを蹴ってまで日本球界に戻ることを決断し、日米通算200勝まであと3に迫った“レジェンド”がこのまま終わる姿は見たくない。
楽天でプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせ、名門ヤンキースでエースを張り、再び古巣楽天へ復帰。そして今季、自身初のセ・リーグとなる巨人で再起を誓う背番号11。「田中将大のプロ野球人生最終章」がどんな展開を迎えるのか、期待を込めて見守りたい。
取材・文/花田雪