5年間で計6人に性暴力を…
公判記録によると、「艦長」こと本多被告による犯行は長期間に及んでおり、起訴された範囲だけでも、2017 年から2022 年までの約5年間で計6人が被害にあったとみられている。
昨年10 月には、「裏切り者は殺す」などと威嚇しながら日本刀を振り下ろしたり、女性に「おまえはおいしそうだ」「おまえの匂いに勃つ」などと暴言を吐きながらわいせつ行為に及んだとして、起訴された事件の一部で有罪判決が出ていた。
まさに暴虐の限りを尽くしていた本多被告だが、悪行はさらに長きにわたり継続的に行なわれていた疑いもある。
「初公判での検察側冒頭陳述では、本多被告が犯行をエスカレートさせた『きっかけ』として2012年5月ごろに店に届いた手紙の存在が示されました。匿名で届いたその手紙には、本多被告の『性的行為や支配行為を厳しく非難する』内容が書かれていたそうです。
手紙には、すでに従業員に自身のことを『艦長』と呼ばせて服従させていたことが書かれている。つまり、本多被告はこの頃からすでに現在、裁判にかけられているのと同じような犯行を重ねていた疑いがあるということです。今回立件されなかった事件や、さらに多くの被害者が存在する可能性があります」(同)
検察側の冒頭陳述によると、本多被告は2012年に発覚したこの匿名での告発を「519事件」と呼び、恐怖支配をさらに強めていったという。女性従業員に対して「絶対服従する」「艦長からの電話や呼び出しには最優先で対応する」などといった誓約書を書かせたりしたのもこの頃からだ。法廷では、本多被告が被害者を追い込んでいく犯行の状況も詳らかにされている。
冒頭陳述で示された記録によると、本多被告は2022年2月深夜、ペットショップの店長や従業員ら複数に「すぐに来い」と電話で招集をかけた。
午前5時前、糸島市の自宅に駆けつけた従業員一人の顔面をいきなり拳で殴りつけ、集まった従業員らを玄関前の地面に正座させた。そして、「携帯電話の電源を切って目の前に置け」と激高。「裏切り者がいる」「今日はそいつを見つけ出して殺す」と畳みかけた。