見かねた裁判官が『話しかけないように』と注意する場面も
斎藤智華被告は12月25日に開かれた初公判のときから起訴事実については認めたものの、詐欺に加担したのは『夫の暴力や脅しがあり断れなかった』と主張していた。社会部記者が語る。
「斎藤夫妻は一連の詐欺について、量刑上有利になるように、智華被告は夫・貴聡被告に強要され、『やむをえず行なった』と主張しているとみられます。しかし、検察側はあくまでも智華被告は自発的に犯行を行なったとみて公判を進めています」
2月12日、刑務官に連れられてグレーのスウェット上下という姿で入廷した智華被告は被告人席に座ると、開廷前から感極まった様子で涙を流し、鼻を赤くしていた。
続いて入廷してきたのは、黒いTシャツとグレーのスウェットパンツ姿の貴聡被告だった。
夫である貴聡被告は堂々とした足取りで証言台の前まで歩いていく。
刑務官が手錠を外す間、被告人席に座る智華被告に向かって『大丈夫だ』と言わんばかりに複数回うなずいてみせ、何かを話しかけていたので、見かねた裁判官が『話しかけないように』と注意する場面もあった。
そして、貴聡被告が宣誓書を読み上げ、証人尋問が始まった。
智華被告の弁護人が、共犯とはどのような共犯なのかと尋問をすると、貴聡被告は「一緒にやりましたが、私が半ば無理矢理、私が妻に強制的にやらせたというのが正しいので。妻は犯行に反対しておりました。
脅しても言うことをきかなければ思い切り蹴ったり、ぶん殴ったり。実家に火をつけてやる、と脅したこともあります。怪我をさせた時の診断書もあります」と証言を始めた。