「一丁目一番地の政策は、犬猫食の禁止法制定です」
永田町のホテルに設けられた会見場では、犬の置物や、数十枚の犬と猫の肖像画が記者たちを出迎えた。奇異に感じられたのは、どの肖像画にも「♯ I AM NOT FOOD」の文字があったことだ。
記者会見では、この言葉の実現が新党の最大の目標だと発表された。
「犬猫は地球上に人類が誕生した時からの伴侶です。動物愛護を第一の使命として、ここに『12(ワンニャン)平和党』の設立を宣言いたします」
そう述べたデヴィ夫人は党の公約になる「犬猫政策」12箇条を発表。その第一項目に「犬猫の食用禁止の明確な法制化」を置き、「私ども12平和党の一丁目一番地の政策は、犬猫食の禁止法制定です」と強調した。
ピンとこない反応が報道陣の間に広がるのを見越したようにデヴィ夫人は法制化が必要な理由を説明した。
「犬猫を食さないわが国にとっては関心が薄いかもしれません。しかし早急に日本で法律を成立させないといけないという理由は、韓国、台湾、中国の深圳、珠海、インドネシアのジャカルタで犬食が法律により禁止されました。日本は先進国であるにもかかわらず、犬食禁止が法令化されていないため、(犬肉食の)抜け道、あるいは温床になる可能性があるからです」(デヴィ夫人)
たしかに、伝統的に犬肉食の習慣があった韓国では2024年に食すことを禁じる法が制定されるなど、アジアでは犬肉食をやめる動きが広がっている。
だが、日本で問題になるほど犬肉が食用に供されているのだろうか。
その答えも用意していたデヴィ夫人は「すでに犬食がかなり行なわれており、百軒以上の店舗での提供の実体も報告されております」と述べ、法制化を進めるため、自分も参院選に比例区から出馬する意向を表明した。