警察が火災を“事故”として扱うも、元夫のDVが発覚し計画殺人の容疑に…
1月29日、ブダペスト中心部のマンションの一室から出火し、焼け跡から女性の遺体が見つかった。
「女性は2人の子どもを育てていました。出火当時(部屋に)子どもはおらず、現在はハンガリー国外に暮らし女性を訪ねて来ていたアイルランド国籍の43歳の元夫が火災を通報しました。警察と消防は、女性がベッドでタバコを吸ったのが出火原因とみて事件性はないと一度は判断しました」(全国紙国際部記者)
男性の地元であるアイルランドのメディアによると、ブダペスト警察は火災当日の29日のうちに、女性の遺体を調べても犯罪を疑わせる痕跡はなく、目撃者の話や防犯カメラの映像からも不審な点はない、と発表している。
しかし地元で女性の権利擁護に取り組むNGO「パテント協会」が2月1日、女性が元夫からDV被害を受けていたことを明かし、当局に徹底的な捜査を求めたことで状況が変わった。
パテント協会は声明で「女性は2023年に法的な支援を求めて私たちに相談してきた。彼女はDVを続けてきた元夫を恐れ、祖国に子どもを連れて帰りたいと考えていた。警察には元夫について複数回相談をしたが警察は対処せず、(今回の)火災を“事故”として扱っている。事件を徹底的に調査することを求める」と表明した。
この後、警察の姿勢は一変する。
「現地やアイルランドのメディアによると、警察は2月3日に女性の遺体を解剖し、“暴行の形跡”を確認しました。これを受け、4日未明、警察は元夫を拘束して取り調べを始め、6日に裁判所が『計画殺人』の容疑で1か月間の公判前勾留を認めています。
元夫は無実だと主張し、この決定への不服申し立てをしている状況です。元夫は取り調べで、25年前にアメリカで女性と知り合って2002年に結婚し、2013年にハンガリーに落ち着くまで複数の国に住んでいたと供述したと、AFP通信が報じています」(国際部記者)