今年の新卒も来年には“既存社員”に
そして何より忘れてはならないのが、新入社員たちも、来年には2年目の“既存社員”となる。今度は翌年の新卒初任給のために人件費を調整される側になるというわけだ。このような初任給の引き上げの流れが続くと、これから先、企業の体制そのものが変わってくるという。
「日本企業はこれまでのような『ベア』という全社員一律賃上げ基調は薄くなり、今後は『成果を上げた人は昇給するけれど、上げていない人は昇給しにくい』状況になっていくかもしれません。初任給引き上げといってもその後、不確定要素がたくさんあります。
ですから、これから社会人となる新卒生は目先の初任給だけにこだわらず、まずは成長できて自分の市場価値を高められる仕事につくことを第一目的として、就活を進めた方がいいかと思います」(安藤健氏、以下同)
大学生の就職活動では売り手市場が続き、企業たちは優秀な人材の確保に四苦八苦している。就活生たちはしっかりと自分の目で企業研究をして、長い目で見て入りたい会社を選んでいくようにしよう。
取材・文/集英社オンライン編集部