年収1200万円で、塾にも旅行にも行けない⁉

〈「1200万でなんで3人産んだの?」「産む前にわかんなかったの?」って書いてあるのを見た。 ちげーよ。

1200万で3人育てられない制度設計が問題なんだよ!上位5%に入る年収で3人育てられない国だから少子化爆速してんだろ!〉

今月6日、X上で1200万円稼いでいても子ども3人育てるのは経済的に厳しいという内容が投稿されるや否や、子育て世帯を中心に大きな反響を呼び、10日時点で、13万以上の「いいね」が寄せられた。

これに続き、この投稿者からは

〈低所得だけど3人育ててるぞ!って。そうだろうね。フル支援だもん。日本の子育ては世帯所得500万を超えるあたりから厳しくなるんだ。1200万に到達すると…累進課税、所得制限、応能負担のトリプル地獄が待っている…。〉

〈1200万超えると奨学金も所得制限で借りられない〉

〈郊外に住め 塾行かせるな 高校私立ダメ! 大学行かなくてよし!

こんな感じみたい。1200万で3人育てるなら〉

など厳しい窮状が相次いで綴られていた。

この投稿に対し、「お金の使い方が下手なだけでは」と一部疑問を呈する声があがったが、実際に当事者となる『都内在住・世帯年収1200万円以上・子ども3人』の家庭からは「習い事もできないし、旅行は10年以上行けていない」との窮状を訴える投稿も。

また現行制度に対し、「年収下げればいいじゃんという投稿を見るけど、年収1200万円相当の仕事ができる人が軒並み働き控えしたら国として衰退する」といった高所得者の勤労意欲を削いでしまうことへの懸念の声もあがった。

さらに大きな点としては少子化問題だ。

厚生労働省が公表した「国民生活基礎調査の概況」によると、2022年の1世帯当たりの所得金額の中央値は405万円。年収1200万円はその倍以上の所得であり、裕福な世帯とも見える。だが、実際に年収が1200万円になると、累進課税制度でより多くの税を徴収されるのに加え、奨学金の対象外になるなど国の子育て支援から除外される。

そのため、「年収1200万円で子ども3人いる家庭は、実質年収600万円で子ども1人の家庭と同程度の生活レベル」などの声も相次ぎ、同じ年収1200万円でも独身や子どもが少ないほうが裕福に暮らせてしまう現状が、少子化をさらに加速させてしまいかねないのだ。

年収1200万円でも子ども3人は厳しいのか(写真はイメージです)
年収1200万円でも子ども3人は厳しいのか(写真はイメージです)