「日本へ来れば大げさに言えば“VIP待遇”を受け丁寧に扱われてきました」
こうした縁もあって日本を数多く訪問してきた崔代表は、今回成田空港で受けた措置に驚いたという。
「ドローンを飛ばすことがだめなら、現場で指示されれば従いました。空港で長時間足止めをしたのは入国自体をやめて帰るよう暗に求められたのだと思います。
私たちはこれまで、日本へ来れば大げさに言えば“VIP待遇”を受け丁寧に扱われてきましたので、今回の仕打ちは想像もしませんでした。実は、今回配布しようとしたビラを昨年10月に印刷したのですが、ソウルの日本大使館から『めぐみさんに関する記述と写真を削除してくれ』と求められたのです。
韓国人被害者の金英男氏と一時夫婦だっためぐみさんは日韓の被害の象徴なのに、めぐみさんの記述を外せというのは、韓国とはこの問題で連携しないということなのでしょうか。岸田政権の時から北と対話すると言い続けている日本政府は、対話の環境をつくるため朝鮮総連を刺激する行動をやめさせようとしたのだと思います」(崔代表)
30日午後、総連本部のそばに来た一行は、ビラを投げ込むことも止められて断念した。50人以上の警視庁捜査員を前に崔代表は拡声器で「日本は拉致問題で(北朝鮮から)謝罪もされ、被害者を連れ帰ることもできた。しかし私たちは(拉致された)家族の生死確認もできない状態が続いています」と訴えた。
金正恩朝鮮労働党総書記と会談したトランプ氏が米国の大統領に再び就き、北朝鮮を巡る情勢が大きく動く可能性もある中、日本当局の今回の対応が何を意味するのか、注目される。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班