荒れに荒れた1月22日の定例知事会見

竹内氏が亡くなった後、最初に行なわれた1月22日の定例知事会見で、斎藤知事は竹内氏について、

「県財政への造詣が大変深い方で、地域開発や森林関係事業を県財政の観点から対策を是正すべきだという質問が非常に強く印象に残っています。そのご指摘も踏まえ、今回県政改革の取り組みの中でなかなか着手できなかった面に取り組むことができたのは、竹内議員のご功績のひとつだと考えてます」

と評価を口にした。だが知事としてSNSでの攻撃をやめるよう求めたりポストの削除要請をしたりしないのか、との質問には、

「知事としては心ない誹謗中傷とか誹謗中傷につながりかねない真偽不明の情報の発信というものはやはり人を傷つけるということになりますので、そういったことは行うべきではないということはこれまでも申し上げてきた」

という一般論を繰り返すのみだった。

1月22日、定例会見で話す斎藤知事(県HPより)
1月22日、定例会見で話す斎藤知事(県HPより)

「会見の最後にはこの態度に業を煮やしたフリーランス記者が、『人間の血が流れてるんですか。殺人鬼と呼ばれてもしょうがないんじゃないですか』と強い言葉で斎藤氏を非難し、Xにはこの発言を問題視する書き込みが続きました。一方で、斎藤氏は知事としてSNSにおける攻撃をやめるようもっと強く訴えるべきだと批判する声も出ており、SNS空間ではバトル状態です」(地元記者)

斎藤氏を取り巻く場外乱闘はこれだけではない。同じ1月22日、大阪のテレビ局MBSは、百条委が斎藤氏のパワハラを認める方向で調整を始めたと特ダネ扱いで報じた。

これに奥谷委員長は「協議はこれからで何も決まっていない」と表明。報道は誤報だとして訂正と謝罪を求めたが、MBSは「複数の関係者から百条委がパワハラ認定の方向で動いているとの証言を得た」として訂正を拒否した。

「百条委は1月27日の次回会合から結論の検討が始まります。取りまとめの土台である委員長素案がまだ全委員に配布されておらず、調整ができるわけがない」と話す県関係者は、「MBSの報道は百条委の意見集約の障害になるとの憂慮が出ています。メディアはSNSで出回るデマを批判しているのに、こうした誤りは正さなくていいんでしょうか」と嘆く。

Aさんの告発に絡んでは、2023年11月の阪神・オリックスの優勝祝賀パレードに絡む公金不正支出疑惑についての市民団体からの告発を、兵庫県警が1月21日に正式に受理。♯24Aさんの申し立てを「誹謗中傷性が高い」として一蹴してきた斎藤氏の主張は崩れ始めたが、捜査の行方は不透明だ。

兵庫県庁を覆うすさんだ空気が去り、渦中で亡くなった人の遺族が安らかな心を取り戻せる日は来るのか。百条委と捜査当局を見る県職員と市民の目は切実さを増している。

兵庫県庁(撮影/集英社オンライン)
兵庫県庁(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

※「集英社オンライン」では、今回の記事についてご意見、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班