アプリ予約がほぼ必須なのに、“回線混雑”で苦戦することも
そうこうしているうちに、「ハッピーエントリー」の入園時刻である8時45分を迎え、ホテル宿泊客の入園が始まった。
新イベント初日とあって、一目散に目的地へ駆け出す混乱が起こるかと思われたが、予想に反して、落ち着いた様子だった。
続いて9時の一般客の入園でも特段の騒ぎは起きず、一部で速歩きが確認できる程度にとどまった。
園内のスピーカーからは「すべてのお客様にお楽しみいただけますよう、パーク内は走らずお進みください」といったアナウンスも流れており、来園者はこれをきちんと守っている様子。
強制退園も辞さない東京ディズニーリゾート側の強い態度、そしてこれを周知させた前日のSNSトレンド入りは、“抑止力”として十分に機能したようだ。
入園の様子を確認した取材班は、その後、入園ゲートに続く保安検査場の外で、パーク内から出てくる来園者を待ち、話を聞いた。
なぜ彼らは開園間もないタイミングで、一時退場するのだろうか。
「売り切れが予想されていた欲しいグッズがあったので、早めに入園してアプリ経由でスタンバイパス(入店予約)を取りました。運よく予約が取れたので、一度外に出て、時間に合わせてまた戻ろうと思っています」(20代のディズニーファンのきょうだい)
現在、東京ディズニーリゾートでは「スタンバイパス」というシステムが導入されており、人気施設を利用するには、入園後に公式アプリから予約を取ることがほぼ必須となっている。
だが、イベント初日となると開園直後から争奪戦がすさまじく、さまざまな苦難を強いられるそうだ。
「入園したら、ほとんどの人がまずスマホを操作して、目当てのスタンバイパスを取るためにアプリを開きます。
ただでさえ競争が激しいのに、人が密集しているせいで回線が重くなり、本当に“争奪戦”という感じです。チケットサイトにアクセスが殺到する人気アイドルのコンサートみたいですよ」(同前)
実際にアプリを操作してみたところ、たしかに動作はもっさりとしている印象。画面の切り替えにも時間がかかり、ミッキーのマークだけがしばらく表示されるなど、かなりストレスを感じた。
このあたりは通信会社にもよるのかもしれないが、予約のために局地的にアクセスが集中し、通信速度低下でさらなる争奪戦を招く、といった事態が起こってしまっているようだ。
この日、東京ディズニーシーでも新イベントの初日を迎え、多数の新グッズが販売開始されていた。一部のグッズはオンライン限定での販売となり、“転売対策”として注目を集めていたことも話題となった。
後編では、同日の東京ディズニーシー側の様子について詳しく取り上げる。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班