「開園後は競歩大会みたい」実際の様子を東京ディズニーランドで確かめてみた

こうした行為について、東京ディズニーリゾートに頻繁に通うファンに話を聞いたところ、「はたから見ると滑稽」だと語ってくれた。

「園内で走るのは禁止なんですが、みんな目的の場所に早く着きたいので、競歩大会みたいになるんですよ(笑)。彼らとしては必死なんでしょうけど、はたから見ると、おかしくて笑っちゃいますね。

特にここ数年は、限定グッズの販売初日になると、多くの“転売ヤー”が押し寄せ、園内を我先にと猛ダッシュする光景が話題になっています。園内を競走している様子は、“運動会”と揶揄されていますよ」(30代男性・ディズニーファン歴12年)

ファンにとっては、グッズ購入も楽しみのひとつ。しかし“転売ヤー”の参入で、開園ダッシュが過熱?(撮影/集英社オンライン)
ファンにとっては、グッズ購入も楽しみのひとつ。しかし“転売ヤー”の参入で、開園ダッシュが過熱?(撮影/集英社オンライン)

しかし、「走る行為の禁止」というルールが以前から存在しているのであれば、東京ディズニーリゾート側が改めて周知させる必要はないようにも思える。それにもかかわらず、このタイミングで強制退園を含む厳しい措置に踏み切ったのは、いったいなぜなのだろうか。

あくまで仮説だが、大きな理由として考えられるのは、SNSで話題になった14日が、特に混雑が予想される日だったことである。

同日、東京ディズニーランドでは、翌15日から始まる新イベント「ディズニー・パルパルーザ“ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド”」のパレード先行公開が行なわれ、いち早く新しいパレードを目に焼きつけたいファンが殺到することが予想されていた。

こうした背景から、パーク側は強い表現を用いてでも混乱を未然に防ぎたかった、と考えられる。

先行公開の段階でこのような状況ならば、イベント初日にはさらに多くの人出や混乱が発生するのではないか。そう予測した取材班は、1月15日、新イベント初日の開園の様子を調査するため、東京ディズニーランドへと向かった。

園外のショップには、新グッズを求める人の列ができあがっていた(撮影/集英社オンライン)
園外のショップには、新グッズを求める人の列ができあがっていた(撮影/集英社オンライン)

訪れたのは朝8時過ぎだったが、ゲート前はすでに多くの人であふれていた。

9時の開園を待つ一般客と、8時45分から入園可能な「ハッピーエントリー」を利用するディズニーホテル宿泊客が、それぞれ列を作っている。やはり、新イベントの初日はファンも気合が入るようだ。

一般客の列では、前方でレジャーシートや折りたたみ椅子を用意して開園を待つ人々の姿も確認できた。話を聞いてみると、なかには深夜から待機していた者もいたという。

なお、公式サイトでは「パーク入園時のお願い」として「入園をお待ちいただく際、レジャーシートやお荷物等による場所取りはご遠慮ください」と明記されている。