社長の佐々木容疑者は殺人罪については処分保留に
再逮捕の容疑は2023年7月12日午後7時半ごろから約30分間にわたり、静岡県富士宮市のホテルの部屋で高野修さんを抱えて頭からベッドに落としたほか、顔を蹴り上げたり、殴ったりする暴行を加えたというもの。
当時3容疑者と高野さんは出張で静岡県を訪れて同じホテルに宿泊しており、容疑者のスマートフォンには、嫌がる高野さんに対して、笑いながら執拗に暴行を加える様子を撮影した動画が保存されていたという。警視庁は3人の認否を明らかにしていない。
高野さんの死亡を巡っては警視庁が昨年12月、3容疑者に加えて従業員の野崎俊太容疑者(39)を殺人と監禁の容疑で逮捕。しかし佐々木、岩出両容疑者は当時踏切付近にいなかったため、東京地検は同27日、殺人罪については処分保留として監禁罪のみで起訴、野崎、島畑の両容疑者を殺人と監禁の罪で起訴していた。
「起訴状によると、2023年12月2~3日、4人は共謀して板橋区内の路上で高野修さんを車内に監禁。さらに島畑、野崎両容疑者は高野さんを板橋区内の踏切近くに連れて行き、高野さんの意思を抑圧して踏切内に立ち入ってとどまらせ、電車に衝突させて殺害したとされます。
そもそも社長以下4人全員が高野さんに対して長年暴行や脅迫を続け、抵抗できないよう精神的に支配していたとして、警視庁は現場にいなかった2人についても殺人の共謀共同正犯が成立すると判断した。
しかし、自殺を偽装した殺害行為自体、立件が容易ではない。公判維持を考え、現場にいなかった2人を殺人罪に問うのは現時点では適切でないと地検が判断したのも致し方ないでしょう」(社会部事件担当デスク)
佐々木容疑者本人も昨年5月、集英社オンラインの取材に『(高野さんは)去年の12月2日までウチで働いていたよ。ただ俺その場(事件現場の踏切)にはいなかったからね』と答えるなど、「無関係」との“自信”を垣間見せた。