「今日でお前クビ。寮からも出ていけと告げました」

「これまでいつかは治ると信じて高野の盗み癖を大目に見てきたんです」と、高野さんを“泥棒扱い“する佐々木容疑者は、高野さんの住む寮の部屋にあがると、思わずカっとなり手をあげたという。

「言ったそばから万引きなんかしやがってって、思わず平手で2、3発張ってしまいました。
何を盗んだまでかは知りませんが普段はコンビニでのど飴だとか、弁当だとかみかんとかそういったもんをよく盗んでいた。

ウチの給料は25万円です。そこから借金を8万円差っ引いて渡してましたけど、盗むほど困ってはなかったと思います。一番ひどいのは置き引きでしょっちゅう人の物を持って行ってた。

警察にもやっかいになってますよ。俺も4年前に警察署まで迎えにいったことありますから。そういったことがあり今回もまた万引きをした。だから『今日でお前クビ。寮からも出ていけ』と告げました。

クビを告げた時、高野は憔悴しきってましたね。俺が寮についたのが20時とか21時とかで鍵を受け取り寮から追い出して、他の従業員が駅の近くまで送っていったのが24時前とかだった。自殺なのかなんなのか事情は俺はわからないけど、その後、踏切でいっちゃったらしい」

逮捕された島畑容疑者(左) (撮影/集英社オンライン)
逮捕された島畑容疑者(左) (撮影/集英社オンライン)

あくまでも高野さんは自らの意思で線路に飛び込みだと主張し、自身の関与を否定した佐々木容疑者。高野さんが本当に「盗み」をしたかは不明だが、高野さんに対する“あたり”は強かった。

高野さんが何か悩みを抱えていなかったかや、トラブルに巻き込まれた可能性について尋ねると、『ぶっちゃけトラブルはある』と眉をひそめた。

「会社に『高野さんいますか?』って変な男の人が訪ねてきたりもありましたし、おそらくお金がらみだと思いますけど『高野いるか?』って電話がかかってきたこともある。

最後に寮に上がった時も明らかに借金だとわかる債務に関する書類や、『今日伺いましたが不在でした』という書き置きもあった。高野は北海道の函館出身で『相当な不良だった』と本人はうそぶいていた。

競艇場に入り浸っていてお金もなかったから、俺にも100万円近く借金をしていたし、従業員にも1万円程度だけど借りたりしていたくらいだから他にもお金がらみのトラブルはあったと思う」