国会答弁の勉強会に寝坊で20分ほど遅刻
自公で衆院の過半数を確保できていない状態で、石破内閣が野党と対峙する臨時国会。企業・団体献金の扱いも含めた政治資金規正法の再改正の議論や、首相が野党から追及を受ける予算委も行なわれ、内閣支持率が再び下落する可能性もある。また、年末までには「103万円の壁」の協議も大詰めを迎える。
少数与党のかじ取りを担う石破首相のストレスは日に日に強くなっているようだ。
「石破氏は、衆院選での自公過半数割れについて『厳しい警備体制で、有権者とのふれあいもろくにできなかったから負けたんだ』と周囲に当たるなど、日々いらだちを隠しきれていないようです」(首相官邸関係者)
また、愛煙家として知られる石破氏だが、首相就任後は分刻みのスケジュールに追われ、首相官邸敷地内の喫煙所が不便な場所にあることもあり、これまでのように1回あたり2本吸って一服、ということも簡単にはできなくなったという。
そんな中で、石破氏の心労がピークに達したのか、「寝坊」騒動も。12月3日には、朝6時から予定されていた、国会答弁の勉強会に20分ほど遅刻。寝坊したとみられている。
しかし、首相にとって唯一の光明ともいえるのは、全体で議席数を増やしたものの存在感を発揮しきれていない野党だ。
とくに、大阪府の吉村洋文知事が代表戦で圧勝した日本維新の会は、その代表選が盛り上がらず、党勢の低迷が続く。そして共同代表には、維新に合流したばかりの前原誠司氏が就いたが、この人事に早くも懸念の声が上がっている。
そもそも前原氏は、2023年末、所属していた国民民主党を離れ「教育無償化を実現する会」を設立。当初から維新への合流が既定路線とみられており、10月の衆院選で、前原氏らが維新に合流した経緯がある。
それだけに、維新の国会議員団にとって前原氏は「外様」の存在である。いくら前原氏がベテランとはいえ維新の国会議員団をグリップできるのかは未知数だ。
さらに、維新が構造的に抱えている問題として、大阪組と東京組の深い溝がある。
維新のお膝元は大阪にあり、東京の国会議員団よりも大阪の吉村氏らの意向が優先されることもしばしばだ。
とくに、維新の看板政策である旧文通費改革などの「身を切る改革」についてはその傾向が顕著で、維新所属の国会議員が「永田町の政党間協議で方向性を決めても、後から大阪がちゃぶ台返しをしてくる」と嘆くこともある。
もともと大阪組と東京組の溝がある維新で、「外様」の前原氏が共同代表に就くと、「前原氏が国会議員団をまとめきれるか。そして吉村氏と前原氏がうまく意思疎通をとれるのか」(全国紙政治部記者)と、早くも懸念の声が上がっている。