前原氏のラブコールにも、野党は結集できず
前原氏は「非自民・非共産」による政権交代を訴えてきたが、前原氏が維新の共同代表についたことで、皮肉にも他の野党との連携には難航が予想される。
そもそも前原氏は民進党代表時に小池百合子東京都知事率いる希望の党との合流を画策。そこから「排除」された議員らが中心となって結成されたのが立憲民主党だ。
そのため、立憲議員からは「かつて前原氏は同じ党の仲間だったが、今はもう話もできない。民主党・民進党時代の仲間で集まることもあるが、前原氏は呼んでいない」と距離を置かれている状態だ。
そして、前原氏と国民民主との関係性はさらに厳しい。前原氏は除名処分を受けた国民民主について「昨日の敵は、今日の友。玉木代表、榛葉幹事長とも意思疎通ができる」と自信を見せたが、玉木氏は前原氏の維新共同代表就任について記者団から問われると「他党の人事の話なので、何かコメントすることは差し控えたい」とそっけない反応を見せた。
一方、国民民主内部も混乱している。玉木氏は不倫問題を受け、来年3月3日まで3ヶ月間の役職停止処分が決定。「政府・与党内では、国民民主が力を入れる『103万円の壁』の引き上げ議論が大詰めを迎えていますが、発信力のある玉木氏が記者会見すらしないことになり、交渉力の低下が懸念されています」(全国紙政治部記者)
そして野党第一党の立憲は、メディア露出が増えた国民民主のあおりを受ける形で存在感が低下。JNNが11月30日、12月1日に実施した世論調査では、立憲の支持率は国民民主を0.3ポイント下回る8.5%となった。
「参院選まで時間もあるため、自民党内はすぐに石破おろしを始めるタイミングではない状況です。ただ、積極的に石破氏を支えてくれる議員も党内にあまりおらず、野党の頼りなさだけが救いでは、首相の心労はまだまだ続くのでは」(自民党関係者)
首相にとっては、簡単に「年忘れ」とはいかない年末になりそうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班