アメリカによる日本の“属国扱い”は1950年代から続いている…つぶされてきた繊維産業と航空業の歴史
2025年以降、続々始まると予想されているトランプ政権からのさまざまな「不当な要求」。しかし歴史を振り返ってみると、すでに日本はアメリカから異常な要求の数々をのまされてきたともいえる。
書籍『反米の選択 トランプ再来で増大する“従属”のコスト』より一部を抜粋・再構成し、経済学者の大西広氏が解説する。
反米の選択 トランプ再来で増大する”従属”のコスト #3
「ころっと変わった」F1後継機の技術評価
そもそも「F16C改」を選定した防衛庁内の「F1後継機総合検討委員会」による各案の総合評価が87年9月から同10月の間にころっと変わったということにも政治介入の匂いがぷんぷんする。
表1,2に見るように最終案として選択された「F16改」の評価は9月時点で最低だったのが10月の最終案では最高評価に変わっているからである。
この表はまさにその「日本航空宇宙工業会」から私が入手した資料で、F18改、F15改、F16改といった機種名が資料に隠されていたものの、それらであることがすぐに判るような説明文がついていた。
こうした技術評価の根本的転換の裏に6月の国防長官の来日や7月における対日米機購入要求決議のアメリカ上院本会議での全会一致採択があったと見るのは自然である。
写真/shutterstock
反米の選択 トランプ再来で増大する”従属”のコスト(ワニブックスPLUS新書)
大西 広
2024/11/29
1,045円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4847067105
《緊急出版》
ドナルド・トランプ氏の大統領「再登板」により、アメリカから日本への要求はエスカレートする! 25年以降、日本はどのように振り回されてしまうのか――
・ドル円レートはトランプに握られる
・日本の軍事予算「対GDP比倍化」の約束が厳格なものとなる
・日本人が外国人の「使用人」となる未来
・「対米従属」の結果潰されてきた日本の産業たち
・アメリカが「衰退の一途を辿っている」といえる理由
など、決して私たち一般の日本国民にも無関係ではない米大統領の交代について、過去のアメリカによる「日本経済破壊の歴史」を交えて徹底的に分析し、私たち一人ひとりが自立するための方法を提言する一冊。