「いつもお金を持っているイメージだった」
20歳そこそこの男女が集まりワイワイ飲むことはなんら珍しいことではないが、井田の場合は、少し違ったという。X氏が語る。
「とにかく羽振りがよかったんです。当時、井田は21歳くらい。報道で知る限りですが、被害者の方が言われているようなお金に困っている様子は一切ありませんでした。
金を借りたいなんて自分に言ってきたことは一度もありませんでした。むしろその逆で、いつもお金を持っているイメージでしたね。一緒に飲んでいると勝手に会計を終わらせていて、『次、行こうぜ』って誘ってくることがほとんどで、飲み代は井田が払っていました。
ほかにも、井田を合わせて総勢5人くらいで飲んだことがあったのですが、タクシー代を全員分出すことも多々ありました。
井田以外は全員帰る方向が一緒だったので男4人でタクシーに乗り込んだんですが、その際に運転手さんに1万円札を直接渡すという、20歳そこそこの女の子がやらないようなことをしていましたね。
羽振りがいい理由を聞いても、金の出所は言わなかったです。誰かから借りたり詐欺をしたりして得ている金だなんて全く知りませんでした」
当初は仲良く飲みに出かけるなどしていたというが、井田と徐々に距離を置くことになったとX氏は言う。
「井田の虚言が多かったんです。『私をホテルに誘ってきたから、誰々君とは関わらないほうがいいよ』とか。実際にはそんな事実はなかったことも。
自分も井田に『薬物をやっている』だとか『詐欺をしている』と周囲の人に嘘を言いふらされたりして困りましたね。そんな感じで、友達と縁を切る羽目になったり、周囲の人たちの間で噂になったりして振り回されました」
#2では、井田の地元の同級生らが幼少期の井田の虚言癖について語っていたが、X氏によれば、井田は成人したあとも、周囲の人たちを困惑させるような言動を取っていたことになる。
そして、X氏はあることがきっかけで井田との関わりを減らしたという。
「2018年の夏くらいでしょうか。僕の 職場の同僚の男性の家に井田が息子とともに転がり込んで、三人で住んでいた時期があったんです。もうはちゃめちゃですよね……。しかも井田は息子を男性に預けて夜遊びに行くこともあって呆れました。それで関わるのをやめようと。
ですが、井田から頻繁に連絡が来るんです。『助けて』と言ってきた割に、実際には新宿でご飯を一緒に食べるだけで終わったこともあります。以降会った回数で言うと、3~4回ですね。最後に会ったのは、昨年の11月20日のことです」(同前)