勘違いで未知の世界に就職!?

──そもそもなぜ護身用品販売店で働いてみようと思ったんですか?

桑原樹里(以下同) コロナのとき(2020年)に、お店の求人が出ていて応募したんですが、最初「防災用品店」だと思ってたんです。というか思い込んでました(笑)。消化器を売ったり、その点検やメンテナンスを主にやったりするのかと。確かに防災用品も扱っていたんですが、そっちばかりに目がいってて、メインが護身用グッズとはまったく思っていませんでした。

──まさかの勘違い!? 仕事内容の確認ってかなり重要だと思いますけど(笑)。その前のお仕事は?

美容系とかリラクゼーション系でした。

──関連性は薄いですね……。それでは当然、護身用品の知識は全くなく、慣れるまで大変だったんじゃないですか?

入って覚えなきゃいけないことがたくさんありました。自分でも勉強はしますけど、とにかくお客さんの話を必死に聞いて覚えました。

要人のSPとか自衛隊、警察官の方がいらっしゃるので、専門的な話をしてくれるんです。「こんな長い警棒は使わないよ。ボクたちだったらこの長さで十分」とか、プロの視点で話してくれるので正確な知識が自然と増えましたね。

武器について熱く語る桑原さん
武器について熱く語る桑原さん
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──お客さんに鍛えられたんですね。先ほど、接客されているところを拝見したんですが、商品説明が丁寧でわかりやすく、トークもおもしろい。ちょっとガタイのいい一見強面の方に対しても、まったく臆することがありませんでしたね。もしかして昔ヤンチャしてました?

学生時代は剣道に明け暮れてましたね。でも高校生のときにはすでに鼻ピアスをして、刺青雑誌の『TATTOO BURST(タトゥーバースト)』とか読んでました。元旦那の実家が船大工で、周りの人間が刺青を入れているのが当たり前の環境だったので、見た目がヤンチャなお客さんに対する慣れはあったかもしれないですね。