殴られた顔の写真や、リストカットの写真を送ってくることも
男性と会うこともなく多額の金を騙し取る手口とは一体どんなものなのだろうか。
Aさんはこう続ける。
「井田との出会いはマッチングアプリですが、その後はLINEでやり取りしていました。すると、『子どもを託児所に預けている間に財布を盗まれたからお金を貸してほしい』というようなメッセージが来るんです。
私は独り身で当時46歳。寂しさも時間もあったので、恋愛感情というより、1人で子どもを育てている若い女の子を応援したいという気持ちが強く、お金を貸してしまいました」
一度金をせしめると、“井田”の要求額は50万、100万、300万…とどんどん増えていったという。
「井田は『滞納している家賃を今日中に払わないといけない』とか『働いている店に金を返さないといけない』とか、そんな理由をつけて金を貸してほしいとメッセージを送ってきました。そのたびに井田の口座に金を振り込みました。なぜかはわかりませんが、井田の元夫の口座にも振り込みをさせられたこともあります。
私は当時、現金で貯金していたというより、株などの投資で資産を持っていたため、すぐに現金化できず、自分の母親に一時的に現金を借りて井田の口座に振り込んだこともあります」(Aさん)
Aさんの優しさにつけ込むように、さまざまな理由をつけては金を借りていた“井田”。ときにはこんなこともAさんに伝えてきたという。
「誰かに追い込みをかけられたことを匂わせるためなのか、井田は殴られた顔の写真や、リストカットの写真を送ってきて精神的に病んでいるアピールもしてきたこともあります。また、返済能力を証明するために机の上に置いてある札束の写真を添付してきたこともありました。
また、あるときは海外に売り飛ばされるとかで成田空港で拉致されてホテルで監禁されているとも。こちらからも井田からも一度も会いたいと話したことはありませんでしたが、成田だったので同じ千葉県にある私の家に逃げてきてもいい、という話はしたことはあります。今思えば、馬鹿らしい話ですが…」(Aさん)