SDV時代の「レクサスブランド再定義」

レクサスは1989年に米国向けの高級ブランドとして立ち上がり、短期間でGerman3と呼ばれるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディと並び称されるブランドに成長した。しかし2021年にはテスラに抜かれて、現在は高級車市場で第4位になっている。

レクサスの二次電池式電気自動車 LEXUS RZ
レクサスの二次電池式電気自動車 LEXUS RZ

レクサスはトヨタブランドに先立ち「2035年にEV100%」を目指すと宣言しているが、メディアでの報道を見る限り、やや「走り」の要素に振り過ぎているように感じる。今後EV化とSDV化が進行する中でレクサスの役割を再定義した方がいいのではないだろうか。

今後の自動車業界のトレンドはEV化だけではなく自動運転も含めた知能化であろう。そして、自動運転や知能化に最初に反応してくれるのは高感度な富裕層である。レクサスはいわゆるイノベーターと呼ばれる顧客を対象に実験的なSDV(Software Defined Vehicle)を高価格で販売する戦略をとるべきではないだろうか。

テスラの初期ユーザーがそうであったように、イノベーター層は自ら喜んでモルモットになってくれるからだ。具体的に言えばソニー・グループと本田技研工業の折半出資で設立されたソニー・ホンダモビリティが開発している「AFEELA」のような実験的なモデルこそ、レクサスが導入すべきだと思う。