価格は1億円を超えてもいい
2023年12月にレクサスのラグジュアリーミニバン「LM」が日本市場にも導入された。LMはトヨタブランドのアルファード/ヴェルファイアとプラットフォームを共通化したレクサス初のミニバンであり、2020年に先代モデルが中国に導入され、その後インドや東南アジア市場にも展開されている。
今回日本に導入されたモデルは2代目である。2000万円という高価格にもかかわらず予約注文が殺到して大変な人気になっている。今回のモデルから欧州市場にも導入されたが、トヨタにとって最大かつ最重要市場である米国への導入は本稿執筆時点では確認されていない。
米国市場はミニバン市場自体が小さいことと、米国の規準ではLMのサイズが中途半端であることが理由だと思われるが、中国や日本でいくら人気があっても、レクサス誕生の地である米国で売れないクルマはフラッグシップとは呼べない。
私は米国市場も含めてグローバルに適用する超高級ミニバンをレクサスブランドから発売してはどうかと思う。コンセプトは「SDV技術を駆使した最先端の動く部屋」とする。いわば「新世代VIPコンセプト」の最上級版である。
トヨタが得意とするミニバンの空間づくりに工芸品的な美しさを加え、最先端のテクノロジーを搭載した「新しいフラッグシップ車」の導入は大きな話題を呼び、レクサスのブランド価値を更に高めることになるだろう。価格は1億円を超えてもいいと思う。米国の富裕層にとっては安いものである。